Novel Therapy『 ダンスとポンポコポン 』

『ダンスとポンポコポン』

ハッピークー 著


僕はコーリー村の外れに住んでいる狸のニキです。
ニキはダンスが大好きで産まれた時からとにかく踊っています。
ニキには友達の熊君と狐君とウサギちゃんがいるのでそのお友達の前でもいつも踊っているし、家族のおばあちゃんお父さんお母さん妹の前でもいつも踊っています。

お父さんもお母さんも妹も、友達の皆んなも、あんまりニキのダンスのことをよく言ってくれないんだけど、おばあちゃんだけはいつも「ニキはダンスしているときの笑顔がいいね」「ニキは本当にダンスが好きなんだね」と褒めてくれます。 なのでニキはもっともっとダンスが上手くなりたいなと思っています。


ニキには憧れているダンサーBTというスターがいます。
黒豹のBTのダンスはしなやかで俊敏な動きが特徴です。

ニキは毎日YoutubeでBTのダンスを見て、真似しようと一生懸練習しています。

BTが主催するダンスコンテストがあります。 1年間コンテスト専用動画サイトに投稿されたダンスの中から、投票で「いいね!」が多かった上位8名が、優秀賞として年末にBTの前で最優秀賞を決める番組に出場できます。
ニキはBTの前で踊れる8人の優秀賞に選ばれようと、毎日コンテストの動画サイトに自分のダンスをアップしています。


そんなニキですが、ある日ニキのダンスを一番褒めてくれていたおばあちゃんが病気になって入院してしまいました。
ニキは毎日おばあちゃんの病室に入り浸って、全然ダンスを投稿しなくなりました。おばあちゃんはそんなニキに「ちゃんと毎日投稿しているの?ここに毎日来ていたらダンスが投稿できないんじゃないの?」と言われてしまいました。「いやここに来る前にちゃんと投稿してるよ」と嘘をついたのですが、おばあちゃんはお見通しです。


「じゃあ投稿サイトが見れるように、おばあちゃんのスマホにアプリダウンロードして!ニキのダンス毎日楽しみに見るよ」と言われてしまいました。


ニキはそれまでBTと同じ様に踊りたい、BTに近付きたいという思いだけでダンスをしていました。「上手くなって褒められたい、BTと同じ様に踊れたらカッコいい」、としか考えていませんでした。

最近は「おばあちゃんに喜んでもらいたい、お婆ちゃんを元気にしたい」という気持ちを込めながらダンスを踊っています。カッコイイだけじゃなく、見ている人が笑顔になってくれる様なダンスができたらイイな、と考えながら踊る様になりました。


更に、自分らしさってなんだろう、自分にしかできないダンスで人を元気にしたい!という思いが一層強くなりました。


友達の熊君はいつも筋トレをしています

友達の狐君はいつも脳トレをしています

友達のウサギちゃんはいつもピアノを弾いています


「熊君、なんでいつも筋トレをしているの?」
「決まっているだろ、僕は筋トレが好きだし力が強いからもっともっと力をつけたいんだよ」

「狐君、なんでいつも脳トレをしているの?」

「決まっているだろ、僕は脳トレが好きだし頭がいいからもっともっと頭を良くしたいんだよ」

「ウサギちゃん、なんでいつもピアノを弾いているの?」

「決まっているじゃない、私はピアノを弾くのが好きだし耳がいいからもっともっと良い音楽を奏でたいのよ」


みんな自分の強みをよく知っていて、それを伸ばす為に頑張っています。
僕の強みってなんだろう 僕はダンスが好きだけどBTみたいにしなやかでも俊敏でもない><

ニキは悩みながらも毎日投稿を続けましたが、やっぱり年末のコンテストに出場できる優秀賞には選ばれませんでした。


でもいいんです。


ニキは今、BTにはできない、お腹をポンポコポンと叩きながらリズムをとる、コミカルな動きのダンスを練習をしています。皆んなを笑顔にするダンス、「ダンスとポンポコポン」というオリジナル「ダンス漫才」の分野を極めて行こうと頑張っています。

いつかは「ニキみたいになりたい」と思ってくれる人が増える様に、毎日笑顔で踊っています。


おしまい^^

mikke!

みつける・とらえる・つながる  誰も特別じゃない。誰もが特別な存在。 誰もが表現者であり、誰もが自由に自分を創造できる。 空の下 誰もが みな輝く主人公。 みなが主人公として「好き」をする自分に還り、心地よく、自分の意志で自由に楽しく生きられる優しさだけの世界に。 We are in the Circus World! ノベルセラピー、表現アートセラピー、 ソウルナビゲーション、イメージワーク