今月のコラム 五感「触覚~さわってみる~」から知る叡智

「さわってみる」

日頃私たちがつかっている五感というものがあります。

嗅覚、視覚、触覚、聴覚、味覚。

みなさんにとって、優れている、よく使っている気がする、ここから感じ取っている、と感じるのは五つのうちどれでしょうか。普段あまり意識していないと感じるものでも、意識的に感じようとすると、普段気づかないことに気づけるかもしれません。

私の場合、聴覚からいろいろな情報を得ることが多いです。例えば、物音から感じる場所の雰囲気、時間を知る気配、人の気分やモチベーション、意志の強弱など、言語化しているものとの違和感の強弱を感じるための情報等です。逆にあまり意識的につかっていないものはもしかする味覚かもしれません。なんでもおいしいと言ってしまう性格なので(だって本当においしいから)。

今回は、この五感のなかから「触覚から得る気づき」についてふれてみたいと思います。

私たちが毎日入る(文化によったら1週間に1回かもしれませんが)お風呂の楽しみ方として工夫されていることはありますか?

よくアロマを焚いたり、バスソルトを入れてリラックスしたり、なかには本を読んだり、ラジオをかけたりしている人もいるかもしれませんね。

私はあえてお風呂の明かりを消して脱衣所の明かりだけで入ったり、湯船につかって瞑想をしたりしています。瞑想では、イメージワークをして今の自分から少しずつ自分の記憶を遡り、だんだん、だんだん小さくなって、最後には胎内にいる自分をイメージしたりしています。熱くないお湯に浸かっているため心地よく、胎児の自分も想像しやすいのだと思います。

今日、そんなお風呂の時間に、面白い発見がありました。

少しお湯を足そうと蛇口から水(お湯)を出しました。

お湯に浸かった状態で、その蛇口から流れ出る水に手のひらを出し、水を手にあてました。

流れ出る水に手をあてたまま、ゆっくり、ゆっくり、その手を下に降ろしていきます。

手に当たる水は、手を下に下げるほどに手に当たる勢いは増し、手からはじけるしぶきも激しくなっていきます。

少し、想像してみてください。

流れ出る水に手をあてたまま、その手が、自分が浸かっているお湯の水面の下にいくと、どんなことが起きると思いますか?

水面下で手に当たる水はものすごく強く、下に下に押されるのです。この感触にハッとして、私はもう一度お湯から手を出し、蛇口の近くから手に水をあてながらゆっくり手を下ろし、そしてお湯の水面下に・・、何度やっても、水面下であたる水は、勢いが増し、下にぐいーと私の手を押していくのです。

ここで少し面白かったのが、私が抵抗をしていたことです。下へ押される感覚に抵抗して、手を上にあげたくなっていました。

そしてある一定の水面下の高さまで手を下ろすと、さっきまであった水の押す力は一瞬にしてなくなるのです。

水にさわってみる、ここから始まった遊びです。

たったそれだけなのに、なんだか深い哲学や人間の心理という少しドラマが潜んでいそうでなんて面白んだ!と思いました。

蛇口から出る水をさわり、水にあたる手の高さによる強度と、水面上と水面下で起きる変化、さらに自分の抵抗を知る感覚に出会いました。ふと、顕在意識と潜在意識を表す氷山の絵を想像しました。

水面下では上から降ってくる情報の勢いが増し抵抗を感じますが、ある一定の水面下の高さまでくると当たり前のようになだれ込み、深く深くどの水がさっき流れてきた水か気づかないところまで潜っていく様から、私はその絵がでてきたのかもしれません。

「さわってみる」から知る叡智も、

私たちの日常には、きっと、ものすごく溢れているのでしょう。

mikke!

みつける・とらえる・つながる  誰も特別じゃない。誰もが特別な存在。 誰もが表現者であり、誰もが自由に自分を創造できる。 空の下 誰もが みな輝く主人公。 みなが主人公として「好き」をする自分に還り、心地よく、自分の意志で自由に楽しく生きられる優しさだけの世界に。 We are in the Circus World! ノベルセラピー、表現アートセラピー、 ソウルナビゲーション、イメージワーク