Novel Therapy『 ジョンの大冒険 』

『ジョンの大冒険 』

リトルジョン 著


これはジョンという少年の小さくて大きな冒険のお話です。

ジョンは「リトルタウン」という街に住む小さな少年。

父と母と3人家族で街から少し離れた場所に住んでいます。

ジョンの住む街は、大きな壁に周りを囲まれていて凄く退屈な街です。


ジョンは囲まれた壁の外をみたことがありません。

外の世界はどんなところなんだろ?

どんな人がいるんだろ? 

いつか街の外に出てみたいな

とジョンは思っていました。

ある時、ジョンは母に街の外に出てみたいと言いました。

母は「出れるわけないでしょ、馬鹿なことは言わないで、あなたはリトルタウンで生きていくのよ」と言われてしまいました。

ジョンは「なんで外に出ちゃいけないの?」と母に聞きました。

すると母は「外にはたくさんの魔物が住んでいてこの壁はその魔物から私たちを守ってくれているの」と教えてくれました。

ジョンは少し落ち込んだ反面、出ちゃいけないことを知りました。


ある日、おつかいを頼まれたジョンは街におつかいに行きました。

道の途中に一人の青年に出会いました。

その青年は見たことのない青年で見たことのない格好です。

ジョンは気になり話しかけてみました。

「君はそこで何をしているの?」

青年は答えます。

「今、この街についたばっかりで休憩をしているんだ」

ジョンは不思議に思いました。

(この街に着いた?出ることはできないが入ることはできるの?)

ジョンは聞きます。

「君はどこから来たの?」

「遠く離れた街グースタウンという街から旅して来たんだよ」

ジョンは驚きました。リトルタウンだけではない街があるということを。

ジョンの胸は高鳴りました。その青年は旅をしてきたことを沢山教えてくれました。

「外の世界はとても素敵で沢山の街もあるし沢山の自然があるんだ、この街も相変わらず小さな街だけど素敵な街だよ」

ジョンは聞きました。

「リトルタウンの外には魔物が沢山いるんじゃないの?」

「魔物なんていないよ、君は魔物を信じているの?」青年は笑います。

ジョンは衝撃でした。魔物なんていないという現実がジョンの好奇心を燻りました。

おつかいを忘れてすっかり話し混んでしまったジョンは、おつかいを思い出しその青年とお別れをしました。


おつかいから帰ってきたジョンは母に今日の青年の話をしました。

すると母は顔を曇らせてジョンに言います。

「そんな話は信じないで、外に出ることはできないし、魔物がいるから襲われる」

と頑なに外の世界を否定しました。

ジョンは落ち込みます。楽しい気持ちで話したのにそう言われると悲しくなりました。

落ち込んだジョンはどうしてもあの青年が言っていた外の世界と母が言う外の世界を確かめたくなりました。


ジョンは決意します。

確かめて納得するまで家に帰らない僕は冒険に出るんだ!

ジョンは足早に準備を済ませ、家を出ます。

でもジョンは気付きました、この街の出方を知りません。

そうだ、今日の青年に聞いてみよう。ジョンは一生懸命青年を探しました。

ですが、青年は見当たりません。もう街を出て行ってしまったのかもしれない、

そうなると僕はこのまま街を出れない、、、

ジョンは必死で探し、やっと青年を見つけました。

ジョンは言います。

「僕も旅に連れて行ってほしい」と。

青年は「いいよ一緒に行こう、一人より二人の方が楽しいからね。ただ一つ、約束があるんだ。君はまだ小さいから旅は1週間の期限付き。

そしてまたこの街に帰ってきて旅の話をみんなにしてあげてほしい」と。

ジョンは約束しました。高鳴る胸の鼓動を抑えつつ初めて街の外に出ます。


初めて出た街の外は、涙が出るほど美しい世界でした。

目の前に広がる大きな森に聞こえてくる動物たちの声、遠くには大きな大海原が広がっていました。

初めての景色にジョンは驚き、そして感動しました。

魔物が住んでいるような暗く怖い世界ではなく、美しい綺麗な世界でした。


それからジョンはその青年と沢山の場所と街を冒険しました。

何もかもが初めてで楽しい日々を過ごしました。

ある日ジョンは青年の旅のきっかけを聞くことがありました。

初めて出会った時に話してくれた、「この街も相変わらず小さな街だけど素敵な街だよ」。

青年も同じリトルタウンで育ったことを知ります。

ジョンと同じで外の世界に興味を持ち、旅人に出会い旅に出たと教えてくれました。

「ただ、リトルタウンは小さくて退屈な街だからなかなか旅人に出会えない、君も僕も凄くラッキーだったね」

青年は言います。

「あの街の住民に少しでも楽しくなって欲しくて、旅をしてはたまに帰って話をしてるんだ。

みんなリトルタウンから出ようとしない、魔物を信じているからね」と少し笑いながら話します。

「だから君も旅の話をしてあげてほしい。

いつか、リトルタウンの壁を超えて住民が行き来するようになってほしいと僕は願っている。

さぁ旅もこれで最後だ。楽しんで帰ろう。」


そして、旅も終わり、リトルタウンに帰ってきたジョンは青年とお別れをしました。

ジョンは外の世界は美しい世界と楽しい世界があることを知り満足していました。

そしてジョンはまだ小さいから大きくなったらまたあの青年のように一人で旅をすること決めました。

ジョンの小さくて大きな冒険は終わり、

そして、これから始まるのでした。



おしまい



mikke!

みつける・とらえる・つながる  誰も特別じゃない。誰もが特別な存在。 誰もが表現者であり、誰もが自由に自分を創造できる。 空の下 誰もが みな輝く主人公。 みなが主人公として「好き」をする自分に還り、心地よく、自分の意志で自由に楽しく生きられる優しさだけの世界に。 We are in the Circus World! ノベルセラピー、表現アートセラピー、 ソウルナビゲーション、イメージワーク